お客様プロフィール
紹介する機能 | 地力・生育マップ、生育ステージ予測、病害アラート、可変施肥&可変散布マップ |
地域 | 北海道 |
栽培作物 | 水稲(はくちょうもち、風の子もち) |
栽培面積 | 27ha |
従業員 | 家族(夫婦) |
経験も勘もないままの経営への不安
「オヤジがやっていた農業を継いだのは33歳ですね。高校を卒業して2年間は家の手伝いをしましたけど、その後はずっとサラリーマンをやっていたんです。本当に素人同然で後を継いじゃいましたね」と明るく話すのは北海道、旭川よりも北に位置する名寄市風連町にある「しみずファーム」の代表、清水和彦さん。
「26年も前のことですからね。農業はまだ『経験と勘』がすべての時代ですよ。自分が経営をする立場になって、作業の一つひとつを判断する難しさを感じたのを覚えています」と、当時を振り返ります。
時代が進み、地域の農家戸数は減少。離農する農家から圃場を引き受けることで、清水さんが扱う圃場面積は3倍近くまで広がりました。「機械化は進みましたけど、夫婦ふたりでは限界がありますよ。とても見切れない広さなので、作業の適期が重なるともうパニックでしたね」
たまたま知ったザルビオの機能に驚き
清水さんは拡大した圃場を管理するためにZ-GISについて動画サイトで学び始めました。その際にたまたま見たのがザルビオのCM。「それまでイラストレータで圃場図を描いたり、エクセルに情報を記録していたんですよ。サラリーマン時代のPC経験は生かせたんですけどそれぞれのデータに連携がなくてどうなんだろうと…。ザルビオは衛星が撮影した圃場のデータをそのまま簡単に活用できる。『これは画期的だ』と思い、試してみることにしたんです」。
衛星を使ったリモートセンシングに興味があっても導入費用が高いと二の足を踏む方が多いのが現状です。「私のような家族経営では逆に損をしちゃいそうな製品は実際多いんですよ。でもザルビオは違ったんです。21か国100万人が利用している世界的な企業だから利用者が多くてコストを下げられるんでしょうね。個人でも使いやすいんです。自分は有料会員で導入できる機能は全て使えるメニューにしていますが、収量・品質をアップできているおかげで十分お釣りが来ています。本当にありがたいですね」。
安心と安定。収量増を実現する数々の機能
「ザルビオを使うとまず失敗ないだろう、という安心感が一番大きいかな。実際、この地域の平均収量を下回ることはないですから。感覚としては5%アップというところですね」。名寄市がある道北地域の10aあたりの平均収量は579㎏(令和5年)なので、5%アップだと約608㎏ということになります。27haという圃場全体でみるとその効果は絶大です。
「地力マップと生育マップは本当に優秀」と力強く話す清水さん。従来の圃場はもとより受け継いだ圃場の特性を見極め、適期を逃さず各所での作業を行うために、ザルビオは欠かせないものとなっています。
しみずファームの地力マップ
「病害アラートもとても使えています。以前、いもちにやられた経験があって、毎年すごく気を使っていたんですけど、危ない時もザルビオが知らせてくれるんですからね」。様々な機能を活用することで、安定して高い収量と品質を得られることへの確信が清水さんの明るい表情から伝わってきます。
昨年から可変施肥にもチャレンジしているそうです。「USBでデータを入れたら勝手に機械が散布するので楽ですね。圃場ごとの収穫のばらつきも少なくなって、肥料のコストも軽く見積もって1割は減っています。何でも値上がりしている時代ですから、ありがたい限りです」。作業小屋にはパソコンを常設、圃場に出る際もiPadを持参していつでも情報を見られる状態に。ザルビオは清水さんにとって、なくてはならないパートナーとなっています。
ザルビオをチェックする清水さん
地域の若手農家にもザルビオを使ってほしい
名寄市風連地区でザルビオを本格的に活用しているのは清水さんのみ。ですが、今年から「名寄地域ICT農業研究会」のメンバーが数軒、テストに取り組むことになっています。30~40代の若手の多くがザルビオに強い関心を寄せているのです。会長の花井信雄さんも農家戸数の減少、耕地面積増に危機感を持っており、新しい設備を導入することにより、人員不足解消や効率アップのために利用したいと考えていると話します。
先駆者である清水さんもこの動きを歓迎。「みんなにはどんどん使ってほしいんですよ。何でも教えますから(笑)」。実際、清水さんに話を伺った日は、研究会のメンバーを招いた勉強会が。会員のみなさんは「地力の有無が視覚でわかる」「各種機器と連携した可変施肥」「一般の予報以上に綿密な天候予測」といった話を興味深く聞き入る様子でした。
勉強会の様子
「私が後を継いだころは、地域の先輩たちにたくさん教わりました。私も色々なことを息子や仲間に伝えていますが、これからはザルビオのデータが欠かせないものになると思っています」と清水さんは話します。
今後も全国的に農家戸数の減少が予想されています。受け継いだ圃場に関しての情報が得られるとは限りません。「だからこそ、地域のみんなでザルビオを共通ツールにすればいいんじゃないかと。正直、メリットは計り知れないと思います。ザルビオは先輩であり先生。地域の農業を守るにはこれしかないですよ」。
情報を使い、行動することで次につなげる
ザルビオをとても信頼している清水さんに、短所はないのか尋ねてみると「機能がありすぎて困っちゃうってことですかね(笑)。これから使い始める方は何を使うべきか迷ってしまうかも。アドバイスをするなら「データを眺めるだけでなく、まずアクションしてみなさい」ですね。特におすすめは可変施肥に活かすこと。手持ちの納期が対応していない場合もメーカーからデモ機を借りられますから、騙されたと思ってトライしてほしい。その積み重ねが収量の安定とアップにつながるんですよ。まずやってみなくちゃね」。
地力マップから可変施肥マップを作成できます
実際、清水さんも初年度から様々な機能を使ってみたことで、翌年、いつ頃に何をすれば良いか、作業の段取りを組む判断をスムーズに迷わずできるようになったそうです。
「周りのみんながザルビオを使えば情報共有ができやすくなる。私にも新たな発見があるかもしれません。地域の農業を、ザルビオを使って盛り上げていけるとうれしいですね」。