異常気象の時代だからこそ、ザルビオが必要!
データを駆使し、コストを上げずに収量13%アップを実現。

中野 昭人 さん
中野昭人さん

お客様プロフィール

紹介する機能 地力マップ、生育マップ、生育ステージ予測機能
地域 山口県
栽培作物 水稲、日置スイカ、キャベツ、白菜
栽培面積 15ha
従業員 社員2名、補助1名、アルバイト5名(繁忙期のみ)

労働生産性を高めることが、収益アップに直結する

ーーまず栽培面積・作物、従業員数を教えてください。

面積は15ha強です。そのほとんどが水稲で、残りの約20aは特産品の日置スイカやキャベツ、白菜を栽培しています。
従業員は私と、令和5年4月に1名増員して2名で総轄しています。そのほか補助が1名、繁忙期のみ稼働をお願いするアルバイトも含め、計8名で栽培管理をしています。本来であれば、もっと収益を上げるために、面積を増やして回していく必要があると思っています。

ーー収益を上げるためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか?

収益を上げる方法は大きく3つあります。1つ目が作付面積を増やす。2つ目は単位当たりの作付面積の収量を増やす。3つ目が米の単価を上げる。これらを通じて、自社の労働生産性を高め、収益を上げなくてはいけません。
労働生産性の方程式は、分母が労働投入量で分子が付加価値(売上-原価)です。人員を削減して分母を少なくすれば生産性は上がりますが、それらを減らすことは現実的ではないので、分子を増やすことに重点をおきます。

ーーそれらの取り組みにおける注意点を教えてください。

一番気をつけなければいけないのは、むやみに作付面積を増やすことです。そうすると管理が追いつかず、収益も上がりません。逆に、10aあたりの売上と生産コストを把握して収益管理のシステムを整え、無理のない拡大をしていけば、ちゃんと利益が増えます。

アナログ・デジタルを駆使して、業務改善に取り組む

ーー労働生産性を上げるために、具体的にどのようなことを実施されているのでしょう?

過労働を要する作業内容と工数を細かく洗い出して、常にアナログ・デジタルの双方から改善策を探して取り組んでいます。これを継続することで、結果的に労働生産性が上がってきます。
今後の取り組みで検討しているのが、ドローンでの肥料散布と年々高くなる肥料の効率的な散布です。特にドローンについては、今いろんな人の話を聞いて、情報収集をしている段階です。

ーー業務改善の一環でザルビオを導入されたのでしょうか?

はい。新しい栽培管理システムの導入を検討していたときに、たまたま農業新聞で山口県の農家の方がザルビオを使っている記事を見て、「私も使えるんじゃないか」と思い、メーカーに問い合わせたんです。
ザルビオは、人工衛星で栽培管理するシステムを、安価ですぐに利用できるところが魅力的でした。
ザルビオの管理画面

ーー主にどのような活用をされていますか?

地力マップは非常に便利で、「ここの圃場は地力が全体的に低い」というふうに、圃場の状態を確認できます。
最近は、地力マップのデータを参考に、圃場ごとの施肥量を決めています。そして、車に秤を乗せて「10aあたり何kg」と肥料の量を測りながら圃場に撒いているんです。これだけ肥料の単価が上がるとダイヤモンドを撒くようなもので、面積が大きいと1〜2割のロスも痛手になってきます。これをやるとやらないでは、最終的に生産コストに大きな差が出てきます。

それから当社では、肥料を計算して発注するので、在庫がほとんど残りません。足りなくなったら、その分補充します。そうすると、キャッシュアウトが防げますし、肥料も劣化しません。

ザルビオで、収量前年比13%増と肥料・農薬コストカットを実現

ーーどのような肥料を使っているのでしょうか?

コシヒカリはほぼ慣行栽培で基肥は化学肥料、それ以外の品種は主に鶏糞を使っていて、化学肥料や農薬の使用がコシヒカリの半分以下です。この地区は養鶏が盛んで鶏糞が簡単に手に入ります。それに、先程も言いましたが、化学肥料は高いですし、国も「みどりの食料システム戦略」で、有機農業の推進や化学農薬の低減を勧めているので、それにならっています。

しかし、それを採用すると今度はこれまでの栽培暦からどんどん外れ、栽培管理が難しくなっていきます。そこでザルビオの生育ステージ予測で水管理や防除の時期を見極めたり、生育マップで生育状況を分析して追肥の時期を変更するなどして栽培管理を補正しているんです。

失敗を防ぐために、農林水産事務所の知見も大いに活用させていただきましたね。農林水産事務所の方とザルビオや定点調査(※)のデータを見て議論し、穂肥の1回を分げつ肥に変更するなどしました。
※定点調査は、農林水産事務所が地域の圃場で独自に実施している生育調査

これらの条件が積み重なって収量がどんどん上がり、これまでは伸び悩んでいましたが、令和5年は前年比13%増の収量を得ました。
xarvio®導入による収量の年別推移

ーー病害対策はいかがでしょう?

60圃場を全て見回るだけで半日かかってしまうのですが、これまではそのような作業をしないと病害を発見できませんでした。しかしザルビオは発生リスクを事前に把握し、アラートで教えてくれるので、初期段階で効率的に見つけることができるようになりました。

生育ステージ予測は、異常気象でも最適解を提供してくれる

ーーそのほかにザルビオを活用しているシーンはありますか?

昨今、地球温暖化や異常気象で、通年より約3日ほど出穂が早くなっています。その間に雨も降り、肥料散布期にあまり余裕もありません。
しかし、肥料は適期に適量を撒くのが原則。タイミングがずれるといろんな部分に影響が出てきてしまいます。それらを考慮した効率的な作業スケジュールを立てるのに参考になるのが、ザルビオの生育ステージ予測です。

ーー生育ステージ予測は、どのように活用されていますか?

極端な話をすると、例えば朝草刈りの準備をしていたのに、「やっぱり肥料を撒いてくれ」と指示され、また一から肥料散布の準備をするとなれば、業務効率が悪くなりますよね。
しかし、ザルビオでは天気予報も付いた生育ステージ予測があるので、それを参考にいつどの圃場にいくら肥料を撒くか、といった計画的な作業スケジュールを立てられます。それを見て計画的に作業することが、結果的に効率化につながっていますね。

先が見えない厳しい時代だからこそ、ザルビオが必要だと感じます。
管理画面を操作する中野昭人さん

業界全体で労働生産性の向上を目指し、次世代につないでいく

ーー社内の情報共有にも、ザルビオが役に立っているようですね。

他社ではホワイトボードを使ったり、人数の多い農業法人では、地図に記載したりして情報を共有したりしています。これらの方法と同じように、情報共有の手段としてあるのがザルビオでした。
私と途中入社したもう一人の社員とでは、栽培管理の知識や経験が異なり、業務の目線を合わせるのがすごく難しいです。しかし、ザルビオの生育ステージ予測や生育マップを見れば、圃場の状態を把握できるので、「圃場の真ん中の色が薄いから、肥料を多めに撒こう」というように、作業内容とその理由を共有することができるようになりました。
社内では、ザルビオの画面を大きなモニターに映してミーティングします。ザルビオは年間2万円ほどで、モニター設備はフルラインナップを揃えて5万円弱でした。すごく導入コストが安いですよね。

ーー中野さんがすばらしいのは、普及指導員の方とともにザルビオを活用して、成果を上げているところだと感じました。

農林水産事務所やザルビオの指導員の方など、いろんな方の知恵をお借りして、最適な栽培管理の方法を探したいと考えています。
農業人口が減少しつつある現在、自社のやり方に固執するのではなく、便利な機械が登場したらとりあえず試したり、人に話を聞いたりして、労働生産性が向上する方法をさまざまな方向から探っていくことが必要です。そこから、農業の安定した経営土台を築き、若い人たちに事業を継承していく仕組みを作っていかないといけません。
ザルビオはそんな、現代における農業の労働生産性の向上を促す最適なツールだと思っています。